花粉症は、植物の花粉に対して免疫が過剰に反応するアレルギーの一種です。くしゃみ・鼻水・目のかゆみが代表的な症状で、日本では春先を中心に非常に多くの人が経験します。母国で花粉症でなかった人が、日本に来てから初めて発症するケースも少なくありません。「ただの風邪かも」と思いがちですが、見分けるポイントがあります。この記事では、花粉症の仕組み・よくある症状・風邪との違い・受診の目安・病院で使う日本語をまとめました。
花粉症って何が起きてるの?
花粉症は、体の免疫システムが花粉を「敵」と誤認して過剰に反応するアレルギー反応です。
ただし、すべての植物の花粉が花粉症を引き起こすわけではありません。原因となるのは主に風で花粉を飛ばす「風媒花(ふうばいか)」と呼ばれる植物です。日本ではスギやヒノキが最大の原因ですが、これらは戦後の植林政策で人為的に大量に植えられた樹木であり、成熟した今、膨大な量の花粉を毎年飛ばしています。同様に、イネ科の植物(水田の稲など)やブタクサも花粉症の原因になります。虫に花粉を運んでもらう花(バラやチューリップなど)は花粉が空気中に大量に飛ばないため、花粉症の原因になることはほぼありません。
花粉が鼻や目の粘膜に触れると、体は「IgE抗体」という物質を作ります。この抗体がヒスタミンなどの化学物質の放出を引き起こし、くしゃみ・鼻水・目のかゆみといった症状が出ます。
📌 花粉そのものが体に害を与えているわけではなく、免疫の過剰反応が原因です。今まで花粉症でなかった人でも、日本に来てから初めて発症するケースは珍しくありません。花粉に繰り返し触れるうちに体内の抗体が蓄積し、ある時点で突然症状が出始めます。
私自身も日本在住で、杉(すぎ)と稲(いね)の花粉症があります。特に2月中旬から4月中旬にかけてはくしゃみ・鼻水・目のかゆみがひどく、毎年この時期は苦労しています。
よくある症状は?
花粉症の症状は人によって程度が異なりますが、代表的なものをまとめました。
| 部位 | 症状 |
|---|---|
| 👃 鼻 | くしゃみが連続で出る、サラサラした透明な鼻水が止まらない、鼻づまり |
| 👁️ 目 | かゆみ、充血、涙が止まらない |
| 🗣️ 喉 | かゆみ、イガイガする感覚 |
| 🫠 肌 | かゆみ、赤み、乾燥(花粉皮膚炎) |
| 😴 全身 | だるさ、頭がぼーっとする、集中力の低下 |
📌 症状は花粉の飛散量が多い日ほどひどくなりやすいです。天気予報の花粉情報をチェックする習慣をつけると、事前に対策しやすくなります。
花粉症と風邪、どう見分ける?
「鼻水とくしゃみが出るから風邪かな」と思うかもしれませんが、花粉症と風邪にはいくつかの違いがあります。
| チェック項目 | 花粉症 | 風邪 |
|---|---|---|
| 鼻水の状態 | サラサラで透明 | 最初は透明→黄色・緑に変化 |
| くしゃみ | 連続で何回も出る | 時々出る程度 |
| 目のかゆみ | ✅ 強いかゆみがある | ❌ ほぼない |
| 発熱 | ❌ 基本的にない | ✅ 37.5°C以上になることが多い |
| 症状の期間 | 花粉シーズン中ずっと続く | 1〜2週間程度で治る |
| 時間帯 | 朝や外出後にひどくなりやすい | 一日中あまり変わらない |
📌 目のかゆみが一番わかりやすい見分けポイントです。目がかゆくて鼻水もサラサラなら、花粉症の可能性が高いです。
いつ病院に行くべき?
以下のいずれかに当てはまるなら、早めの受診をおすすめします。
- ✅ 市販薬を数日試しても症状が改善しない
- ✅ 症状がひどくて日常生活や仕事に支障が出ている
- ✅ 夜、鼻づまりで眠れない
- ✅ 初めての症状で花粉症かどうか判断がつかない
⏰ 理想的には、花粉が飛び始める2〜4週間前に受診するのが効果的です。本州では早ければ2月上旬ごろからスギ花粉が飛び始めるため、1月中に受診しておくのが理想です。シーズン前から薬を飲み始める「初期療法」で症状を軽く抑えられるとされています。時期や地域ごとの詳細はなぜ日本の花粉はヤバいのかを参照してください。
日本の病院の受診方法については日本の病院ガイドも参考にしてください。
花粉症で使う日本語は?
病院や薬局で使う用語をまとめました。受診時に「花粉症だと思います」(かふんしょうだと おもいます)と伝えるだけでも、医師に症状の方向性が伝わります。
| 日本語 | 読み | 意味 |
|---|---|---|
| 花粉症 | かふんしょう | Hay fever / Pollen allergy |
| アレルギー科 | アレルギーか | Allergy department |
| 耳鼻咽喉科 | じびいんこうか | ENT (Ear, Nose, Throat) |
| 内科 | ないか | Internal medicine |
| 眼科 | がんか | Eye clinic |
| 抗ヒスタミン薬 | こうヒスタミンやく | Antihistamine |
| 点鼻薬 | てんびやく | Nasal spray |
| 目薬 | めぐすり | Eye drops |
| 鼻水 | はなみず | Runny nose |
| くしゃみ | くしゃみ | Sneeze |
| 処方箋 | しょほうせん | Prescription |
FAQ
花粉症は突然なるもの?
はい、ある日突然発症することがあります。花粉に繰り返し触れることで体内にIgE抗体が蓄積し、一定量を超えたときに症状が出始めます。「去年まで平気だったのに今年から急に…」というのは珍しくありません。日本に来てから初めて発症する外国人も多くいます。
花粉症は治る?
完全に「治す」のは現時点では難しいですが、症状をコントロールすることは十分に可能です。薬でかなり楽になりますし、「舌下免疫療法(ぜっかめんえきりょうほう)」という長期的な治療法もあります。ただし3〜5年の継続が必要で、効果にも個人差があります。詳しくは耳鼻咽喉科やアレルギー科で相談してみてください。
マスクだけで花粉症は防げる?
マスクだけでは十分とは言えません。マスクは鼻や口からの花粉をある程度防ぎますが、目のかゆみには効果がありません。花粉用メガネを併用したり、薬を使ったりすることで、より効果的に症状を抑えられます。対策の優先順位については花粉症サバイバルガイドで詳しく紹介しています。
今日からできること
- ✅ 鼻水・目のかゆみ・くしゃみの症状があれば、上の「風邪との見分け方」表でセルフチェックする
- ✅ 花粉症の可能性が高ければ、まず薬局で抗ヒスタミン薬(アレグラ、クラリチンなど)を試してみる
- ✅ 改善しない場合は耳鼻咽喉科またはアレルギー科を予約する
- ✅ なぜ日本の花粉はヤバいのかを読んで、時期と地域の傾向を把握する

